1970年代後半に一大ブームとなった「ぶら下がり健康器」。
昔は家にあった、という方も多いのではないでしょうか。
過去に流行った健康法の代表格で、ブームが去った後は衣類を掛ける場所になったり、邪魔になったりと残念な印象のほうが強く残っている気がします。
そんな「ぶら下がり健康器」ですが、決して何の効果もないからブームが去った訳ではありません。
ぶら下がるという行為の地味さから、継続できる方が少なかったこと大きな原因のひとつと考えます。
それでも、調べてみると今でも使っている方は意外といらっしゃいます。
私も、そのうちの一人です。
「ぶら下がる」ということ
疲れた時に、自然とグーっと両手を上げ、背筋を伸ばし、フ~っと息を吐いていませんか?
そうすると、肩や背中の辺りが楽になりリラックスできる気がします。
正にそれが「ぶら下がり」に近い効果です。
日常生活では、前進や上下、引き寄せる動きは多くても、引っ張られる動きは少ないのではないでしょうか。
直ぐに感じられる「ぶら下がり」の主な効果
普段あまり動かない方向に筋肉を使えること
筋肉は、縮むときに力を使うだけでなく、伸ばすときにも力を使います。
力を入れていない時が伸び切ってい状態ではないので、その状態から伸ばすことは普段と違う向きに力を使うことになります。
また、その裏にある普段使われ難い別の筋肉を縮めることにもなります。
非日常的筋力を使えること
ぶら下がっている状態は、自分の体重が負荷として掛かります。
単純に片腕に体重の半分近くの負荷がかかることは普通の暮らしではないと思います。
ストレッチ効果
ぶら下がりながら、できるだけ余計な力を抜き自分の重さを全身で感じるようにすると、上半身だけでなく下半身も伸ばされ、より多くの筋肉や関節に刺激を与えられます。
ぶら下がれる場所は限られている
ぶら下がれる場所は、家でも外でも探すとなかなか無いものです。
標準的な設計の家には、安心して体重を預けられる場所は無いかと思います。
外では、公園の遊具や健康器具を利用できますが、いつでもという訳にはいきませんし、人目を気にする方もいらっしゃると思います。
そのようなことから、「ぶら下がり健康器」のメリットは、ぶら下がれる場所を確保できるということです。
押さえておきたいこと
ぶら下がることは地味に見えますが、簡単ではありません。
「1日1分で効果がある」と言われることもありますが、慣れていない方は、ぶら下がれないかもしれません。
1分ぶら下がれれば結構筋力があるほうだと思います。
まずは、それを目標にしても良いくらいです。
ぶら下がることで最も辛いのは握力と指と掌の痛さです。
次に辛いのは、腕の付け根です。
普段伸ばしていない箇所は、筋肉だけでなく皮膚も伸び慣れていないので、かなり痛いです。
最初は辛いですが、少しずつでも続けていれば、徐々に長い時間できるようになります。
鍛えた成果が時間で計れるので分かり易く達成感もあります。
ぶら下がることができない方は、最初は足を着けた状態でも構いません。
それでも相当体が伸ばされることが分かると思います。
そして、ぶら下がることに慣れてきたら、次の目標は懸垂です。
懸垂も取り入れれば、筋肉を縮める力も伸ばす力も更に非日常的になります。
これらをふまえて、ぶら下がり健康器を選ぶ時には以下の点に注意が必要です。
懸垂に使えるかどうか
懸垂について表記されているものが安心です。
耐荷重
100㎏以上も多いですが、80㎏程までのものもあります。
丈夫なものほど大きくて重い傾向があります。
耐荷重内であれば壊れる心配はありませんが、ぶら下がる際や懸垂する際の振動を考慮すると、10kgでも余裕があったほうが安心です。
設置場所
寸法は、それぞれの仕様によりますが、たたみ畳半ほどは取ります。
高さは調整できますが、身長160㎝でも足が着かないように合わせると2m以上になりますので、存在感はあります。
場所を多く取ることはデメリットですが、使わないときは衣類を掛けると最初から決めておけば少し気が楽です。
実際その使い方も便利で、衣類をかける時も取るときにも体を伸ばせるメリットもあります。
衣類を掛けられることを宣伝に入れているものまであります。
組み立て
大きなものなので、自宅に届いてから組み立てる必要があります。
基本的にボルトとナットなど締め付けて組み立てるだけですが、部品が大きいので高齢者や女性には手伝える人がいたほうが安心です。
また、部品の組付け精度はばらつきが多いので、同じ製品でも組み立てやすい場合とそうでない場合があるようです。
メンテナンス
安全に長く使うためには、汗が付いたら拭くこと、定期的にボルトの締め付け具合を点検し締め直すことが必要です。
ちなみに、私は2004年頃に購入したものを使い続けています。
一度引っ越しをしましたが、一番低い位置に調整することで、分解することなく運送できました。
まとめ
「ぶら下がる」、地味かもしれませんが単純で効果的です。
筋トレやストレッチ、リラックス効果だけではなく、握力を使うことは血管年齢の若さを保つことを期待できます。
しかしながら、やろうと思うと意外と場所がないものです。
健康維持のために、家にぶら下がれる場所を用意することは意外と重要だと思います。
稀にホームセンターなどでも見かけますが、基本的には通販での入手になると思います。