ご自身の今日の体重をご存知でしょうか。
昨日の体重でも直ぐに答えられる方は、健康意識が高いといえると思います。
「太っている」「痩せている」というのは、まずは見た目で判断されます。
見た目ですので、その判断には人それぞれの感覚が影響します。
同じ人でも、ある人から見れば「太っている」、別の人から見れば「痩せている」となる場合があります。
その判断は、よくよく考えると「自分と比べて・・・」になる傾向があるのではないでしょうか。
例えば、知人・友人・家族に太っている人が多いと、自分は「まだ普通」だとか「同じくらい」だからといって「安心」と感じることがあります。
反対に、知人・友人・家族に痩せている人が多いと、自分は「太り過ぎ」だから痩せないと「不安」と感じるなど考え方は様々です。
「健康の定義」の精神的健康の欄にも記しましたが、人は基本的に安心したいと思っています。
そのため、自分が安心できるような見方に流されてしまうことがあります。
一方、健康の観点では「痩せている」か「太っている」かの目安を明確に数値化して判断する考え方があります。
それがBMIです。
標準体重の算出にも使われています。
BMIとは?
国際的に使用されている指標で、計算方法は世界共通ですが、基準は国によって異なります。
日本でのBMI基準
成人男女の判定基準(日本肥満学会)
BMI | 判定 |
---|---|
18.5未満 | 低体重 |
18.5以上 25.0未満 | 普通体重 |
25.0以上 30.0未満 | 肥満(1度) |
30.0以上 35.0未満 | 肥満(2度) |
35.0以上 40.0未満 | 肥満(3度) |
40.0以上 | 肥満(4度) |
判定の見方
BMI22を標準体重とし、統計的に最も病気になりにくい状態であるとされています。
25.0を超えると、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病になる確率が2倍以上になるとされています。
30.0を超えると、減量するため治療が必要とされています。
そのため、BMIが22の状態が標準体重とされています。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22
注意点
計算式のとおり、BMIは身長と体重から計算されますので、脂肪や筋肉量、骨密度など他の要素は加味されていません。
つまり、BMIは肥満度の目安にはなりますが、健康状態を計るものではありません。
BMIは標準範囲でも、体脂肪率が高ければ肥満の状態である場合があります。
健康づくりにおいて肥満の予防は重要です。
BMIが同じでも、脂肪の付き方によって病気になる確率は大きく変わります。
脂肪の付き方によって、肥満は以下のタイプに分けられますが、前者の方が生活習慣病を発症するリスクが高くなります。
- 内臓脂肪型肥満:リンゴ型肥満(上半身が太いが脚は細め)
- 皮下脂肪型肥満:洋ナシ型肥満(上半身より下半身のほうが太め)
体脂肪の基準
男性 | 女性 | 判定 | |
---|---|---|---|
体脂肪 | 15~20% | 20~25% | 普通 |
25%以上 | 30%以上 | 肥満 |
体脂肪率と生活習慣病との関連性は薄いため、体脂肪率はメタボリックシンドロームの診断基準には採用されていません。
BMIも同様にはメタボリックシンドロームの診断基準には採用されていませんが、メタボリックシンドローム予備軍かの目安のために健康診断などでBMIを算出しています。
BMIによる判定は、あくまでも統計からの数字ですので、体の状態を確認する目安とし、気になることがございましたら医師や保健師などにご相談ください。
メタボリックシンドローム
以下の条件を満たす方が該当します。
腹囲 | 男性:85cm以上 女性:90cm以上 |
---|---|
以下の内、2項目以上 | |
中性脂肪 | 150mg/dl以上 かつ/または HDL 40mg/dl未満 |
血圧 | 収縮期血圧 130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧 85mmHg以上 |
血糖 | 空腹時 110mg/dl未満 |
さいごに
BMIは肥満度の目安にはなりますが、健康状態を計るものではありません。
しかしながら、太り過ぎや痩せすぎは病気になり易さと関連がありますので、肥満度を意識することは病気の予防につながります。
そのために、肥満度を感覚的に判断せずに状態を数値として確認することは大切です。
標準体重に使われているBMI22は統計から算出された目安ですので、そこを目指して無理し過ぎないように、普通体重の「18.5以上 25.0未満」を維持するくらいの気持ちが良いのではないかと考えます。
そして、BMIと合わせて体脂肪率なども確認し、体の状態をできるだけ広く確認することが大切です。
健康診断などで定期的に確認することも必要ですが、体の状態は日々そして時間単位で変化し続けますので、体に負担がかからない方法で確認できることは、できれば毎日決まった時間に確認しておくことが望ましいです。
少なくとも体重の変動を毎日確認することで、知らないうちに太ったり痩せたりすることは防げます。
そのように確認していくうちに、生活習慣による体重変動の傾向、つまり自身のクセが見えてきて、食事や運動の質と量を意識的に調整し易くなります。
体重測定といえば体重計ですが、体脂肪計や体組成計と呼ばれるものは、BMI、体脂肪率、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、推定骨量、筋肉量、脈拍数、体水分率など、様々な項目を計測することができます。
家庭用の機器より業務用のほうが高機能で高精度ですが、家庭用でも毎日の変動を確認するには十分です。
食事や運動などで健康づくりに気を使った結果が、毎日確認できることはモチベーションの維持にも役立ちます。
体重計は中々買ったり買い替えたりのタイミングがないかもしれませんが、機能は年々上がっています。
ご自宅用だけでなく、結婚、新築、敬老の日、母の日、父の日などの贈り物にもお勧めです。
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参考文献
e-ヘルスネット