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【発酵食品】健康に良い種類と理由についての考察

発酵食品は健康に良い、という情報をよく見聞きします。

一方、「発酵食品は腐っているけど食べられる物」、あるいは「発酵と腐るは違う」や「発酵は腐るの一歩手前」のような印象もあるかと思います。

見方によっては、合っているとも違うともいえると思います。

健康と相反する「腐る」という情報を伴う発酵食品ですが、そもそもどのような点が健康に良いとされているのでしょうか。

 

発酵食品とは?

発酵食品とは、そのままですが発酵させて作る食品です。

「発酵」の意味は、大きく分けて2通りあります。

  1. 微生物が食品を栄養として増殖し、食品の成分が変化する。
  2. 食品自体が持つ酵素の働きによって、食品の成分が変化する。

「腐る」も、元々の成分が時間が経つにつれて変化することなので、その点では「発酵」と「腐る」は同じです。

それでも、通常は「発酵」と「腐る」は違う意味で使われています。

 

発酵と腐敗

発酵
ある条件で処理すると食品が長持ちしたり美味しくなったりすることが発見され、その方法が確立されてきました。
後に、それが微生物や酵素の働きによるものだと分かったという経緯があります。
つまり、発酵とは私たちにとって有益であることが大前提です。
正しくは「醗酵」と書き、語源は酒づくりに関連しています。
”醗”が常用漢字でないことから、一般的には「発酵」や「はっ酵」が使われています。

腐敗
腐ることを腐敗といいますが、物が変化して有毒物質や悪臭が発生することを意味します。
それが食品の場合、ダメになって食べられなることです。
つまり、腐敗とは私たちにとって無益なだけでなく有害であることです。

 

発酵と熟成

発酵と似たような使われ方をしている言葉に「熟成」があります。
「熟成」も微生物や食品自体が持つ酵素の働きによって食品の成分が変化することです。
発酵と違う点は、熟して旨味や香りなどが増した状態であることです。
より理想的なものに仕上げる意味で使われています。

 

発酵食品と呼べる条件

上記のとおり、発酵食品とは微生物や酵素の働きによって付加価値が付いた食品のことです。
生きた菌が入っている印象があるかもしれませんが、作る過程で発酵を利用しているだけの食品も含みます。

 

発酵食品の種類

発酵食品は世界中に多くありますので、ここでは日本でよく知られていると思われるものを記します。

日本での認知度については、あくまでも私の主観が入っていることをご了承ください。

また、同じ名称でも地域によって作り方が異なる場合があることも合わせてご了承ください。

※スマートフォンなどの場合、横にスクロールできます。

名称 主原料 微生物 備考
納豆 大豆 納豆菌  
醤油 大豆 麹菌、酵母  
味噌 大豆 麹菌、酵母、乳酸菌  
鰹節 カツオ 麹菌  
塩辛 イカ 乳酸菌 酵素による発酵も関与
ぬか漬け 野菜 乳酸菌  
キムチ 野菜、唐辛子 乳酸菌  
ピクルス 野菜 乳酸菌 酢漬けの物を除く
ザーサイ カラシナ 乳酸菌  
メンマ 真竹 乳酸菌  
くさや 魚類 乳酸菌  
パン 小麦 酵母  
ヨーグルト 牛乳 乳酸菌  
チーズ 牛乳 乳酸菌  
酒粕 米  麹菌、清酒酵母   
甘酒 麹菌 酒粕から作る物もある
黒酢 麹菌、酢酸菌  
醸造酢 酒類 酢酸菌  
タバスコ 唐辛子 酵母  
ナタ・デ・ココ ココナッツ 酢酸菌  
コチュジャン もち米、唐辛子 麹菌など  
黒ニンニク ニンニク 酵素による発酵
アンチョビ 酵素による発酵
紅茶 茶葉 酵素による発酵
※日本酒やビール、ワインなど酒類の多くは発酵を利用しますが、種類と製造方法が多様のため載せていません。

 

健康に良い発酵食品とは

食品を発酵させる目的は、基本的には風味・食感・保存のためです。

発酵の際に発生するガスやアルコールを利用することが主な目的である食品もあります。

したがって、発酵食品であれば健康に良いという訳ではないと考えます。

そのような発酵食品の中で、少なくとも以下3点のいずれかが該当するものは健康に役立つと思います。

  1. 付着した微生物によって腸内環境改善の期待が持てる。
  2. 発酵によって、ヒトにとって有益な微生物や成分(必須アミノ酸など)が生成、または増加する。
  3. 美味しくなることで、食欲増進があり食を楽しむことができる。

しかしながら、糖質や脂質、塩分、アルコールなど多く含んでいるものは食べ過ぎに注意が必要です。

また、日常の食事に使いにくいものは、効果を得る機会が少ないことになります。

以上のことをふまえ、発酵食品として特に優れているものに以下が挙げられます。

  • 納豆
    ナットウキナーゼを含んでおり、血液や血管の健康維持に役立つ。
    納豆菌が多く含まれており、腸内環境改善の期待できる。
  • ヨーグルト
    乳酸菌が多く含まれており、腸内環境改善の期待できる。
  • チーズ
    カルシウムが凝縮され吸収率も良いことから、骨の健康に役立つ。
    乳脂肪は多く含まれていますが、肉類の脂質より蓄積されにくい特徴がある。
    乳酸菌が多く含まれており、腸内環境改善の期待できる。
    (ナチュラルチーズには生きた乳酸菌が含まれる。プロセスチーズは加熱加工されているので生きた乳酸菌は含まない)

 

食べ方のポイント

発酵に関与する微生物は、ヒトにとって有益な働きをする善玉菌と呼ばれるものなので、できるだけ微生物ごと摂取したいところです。

微生物が生きたまま腸に辿り着かなくても、微生物の成分自体が健康に役立ったり腸にいる善玉菌の栄養になったりするので効果は期待できます。

しかしながら、微生物が含まれている発酵食品も、水洗いすると流れて減ってしまいます。

微生物以外にも熱により変性してしまう成分もあり得るので、できるだけ加熱や洗浄しないで食べられるもののほうが、発酵食品としての利点を得られると考えます。

 

まとめ

発酵食品とは、そのままですが発酵させて作る食品です。

「発酵」の意味は、大きく分けて2通りあります。

  1. 微生物が食品を栄養として増殖し、食品の成分が変化する。
  2. 食品自体が持つ酵素の働きによって、食品の成分が変化する。

発酵食品は、少なくとも以下3点のいずれかが該当する点で健康に役立つと言えます。

  1. 付着した微生物によって腸内環境改善の期待が持てる。
  2. 発酵によって、ヒトにとって有益な微生物や成分(必須アミノ酸など)が生成、または増加する。
  3. 美味しくなることで、食欲増進があり食を楽しむことができる。

ただし、糖質や脂質、塩分、アルコールなど多く含んでいるものは食べ過ぎに注意が必要です。

以上をふまえ、発酵食品として特に優れているものに以下が挙げられます。

  • 納豆
  • ヨーグルト
  • チーズ

 

以上のように、発酵とは私たちにとって有益であることを大前提としています。

つまり、「発酵」とはヒトから見た基準で良いだけで、現象としては「腐る」と同じです。

微生物は増殖する過程で酸やアルコールなどを放出するものがいます。また、その放出物により環境が変化し他の微生物が生育しにくくなります。

植物は、成長の過程で実を熟したり古い葉を枯れさせたりします。

私たちは、それらを利用して食品に付加価値をつけています。

もちろん発酵食品以外にも健康に良い食品はありますが、発酵食品が持つ独特な付加価値は、私たちの食生活を豊かにする上で欠かせないものです。

発酵食品は、同じ名称の物でも原料や作る環境など様々な要因で異なる風味や食感を呈します。

是非、様々な発酵食品をお試しください。

 

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