世の中には「健康」という言葉が大変多く使われていますので、毎日のようにどこかで見聞きするかと思います。
テレビだけでも「健康」にまつわる番組が毎日のように放送されています。
試しに自動録画できるレコーダー等で「健康」だけをキーワードに設定してみると分かります。
もちろん日々ばらつきはありますが、地上波だけでも1日に5番組以上はあるのではないでしょうか。
地上波以外のチャンネルやコマーシャルからも「健康」にまつわる情報を得ることができます。
新聞・書籍・雑誌・インターネットなど、あらゆる媒体を含めると膨大な情報量です。
なぜ、そんなに多くの「健康」にまつまる情報が提供されているのでしょうか。
それは単純に、多くの人が関心を持っているからです。
「健康でいたい、健康でいるためにはどうすれば良いのか」と多くの人が思っているということです。
ところで「健康」とはどういう意味でしょうか。
「心身共に病気でない状態」、「不自由なく動ける状態」という回答は多いかと思います。
正しいと思いますし、人によって答えが違うのも当然だと思います。
その人が「自分は健康だ」と思えていれば、それはそれで良いと思います。
ただ中々そう思えないのは、身体が本当に健康なのか、自身で判断することが難しいからではないでしょうか。
そのため、「何が健康に良くて、何が健康に悪いのか」という情報には関心が集まります。
また、客観的な判断材料のひとつとして、「健康診断」の結果を利用されていると思います。
あらためて「健康」とは何でしょう。
多くの人に共通した関心事とはいえ、「健康」という言葉の意味についての情報はあまり見かけないのではないでしょうか。
「健康」という言葉の意味は、辞書では「病気の有無からみた身体や心の状態」、「身体や心の状態が健やかで丈夫な様子」などと説明されています。
また、インターネットで調べると、概ねWHO(世界保健機関)の憲章に辿り着きます。
そこには以下のように定義されています。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。」 (日本WHO協会仮訳)
「病気や虚弱」=「不健康」ということではないと解釈できます。
それでも、肉体的・精神的・社会的すべてと言われるとはハードルが高く感じるかもしれませんが、ポイントは「満たされた状態にあること」が基準であることだと思います。
病中や持病があったり、身体に不自由な点があったりしても、自身の置かれている状況を総合的にみて「満たされている」と思えれば「健康」な状態と考えて良いと思います。
なお、厚生労働省においても、特別な定義を設けることなく、例えば健康日本21(総論)の第2章にて、WHOの定義を参照しています。