「ワサビ」と聞くと、主に刺身を食べ時に使い、その目的は、生食である刺身に対して細菌やカビ、寄生虫の増殖を抑制することを期待するものという認識が強いと思います。
つまり、刺身に添えたり一緒にワサビを食べたりすれば刺身が傷み難くお腹を壊さないという期待があり、実際にそのような経験をに基づき江戸時代後期頃の握り寿司の流行と共に広まったと考えられています。
金印株式会社は、上記のような効果に注目し、ワサビには健康によい成分があると仮定し研究を重ねました。
そうして発見され、さらに高濃度での抽出に成功したものが、「わさびスルフィニル®」と命名された成分です。
補足ですが、ワサビの特有の辛さや香りは、鮮魚の生臭さを消すと共に淡白な生魚に味のアクセントをつけるという役割もあります。
蕎麦の薬味としても使われますが、本来蕎麦の薬味には大根おろしのしぼり汁が最も適し、辛いものが好ましいとされていましたが、辛い大根がない場合、代用としてワサビを使うとされていたことが起源のようです。
わさびスルフィニル®とは?
ワサビに含まれる健康維持に良いとされている成分です。
正式名称は「6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)」で、本ワサビに含まれる芥子油【からしゆ、かいしゆ:アブラナ科アブラナ属の芥子菜(本ワサビはアブラナ科ワサビ属)の種子から抽出される黄褐色の脂肪油で、香辛料・防腐剤などに用いられる】の一種です。
日本原産の本ワサビの根茎に得に多く含まれる成分ですが、一本当たりの含有量はごく微量のようです。
金印株式会社のわさび機能性研究所の報告によると、項目ごとに試験管内あるいはマウス、被験者による試験の違いはありますが、それぞれ根拠データが示されています。
機能性の詳細については、こちらをご参照ください。
本ワサビからしか摂取できない
まず、ワサビといっても本ワサビと西洋ワサビがありますが、わさびスルフィニル®は、本ワサビにのみ含まれ、西洋ワサビには含まれていないようです。
そして、残念ながら常温のチューブ式ワサビにおいては、原料の本ワサビに西洋ワサビを配合したものも多いほか、長期保存のための副原料などが多く含まれているため、わさびスルフィニル®をほとんど摂ることはできません。
なお、日本加工わさび協会の基準に従って、本ワサビが50%未満のものは「本ワサビ入り」、50%以上のものは「本ワサビ使用」と表示可能とされています。
また、現状ほかの食品にも含まれていることは認められていないようです。
そのため、わさびスルフィニル®を摂取するには本ワサビをからとなるのですが、研究の結果1日あたり5gほどのすり下ろした本ワサビの摂取が望ましいとされています。
目安は、普通サイズの本ワサビを1.5㎝ほどすりおろした量です。
さいごに
ワサビは日本人にとって馴染み深い食品です。
薬味や殺菌目的で使用されている方が多いと思いますが、健康づくりに役立つ一面もあります。
健康に気を使われている方は、本ワサビをすり下ろす、あるいは本ワサビの含有率など表示にも注目してみてはいかがでしょうか。