動物性脂肪は、血管の壁に脂肪分を堆積させ、血流を悪くする原因になります。
そのため肉や乳製品を多く摂取すると動脈硬化や心疾患といった生活習慣病にかかりやすいと予想されます。
ところが、フランス人は肉やバターなど動物性脂肪の多い料理を食べているにも拘らず心疾患が少ないといわれています。
実際にWHO(世界保健機構)の調査によると、フランスの平均寿命、健康寿命は常に世界ランキングの上位に入っています。
これはフランス人が習慣的に飲んでいる赤ワインが影響しているのではないかと考えられ、赤ワインに含まれる成分について研究が進められてきました。
その中でも注目されている成分がレスベラトロールです。
このような経緯を経て、世界中でワインブームがおこり、レスベラトロールに対する注目も高まってきました。
レスベラトロールとは?
レスベラトロール(英語:Resveratrol)は、ブドウの茎や皮などから抽出されるエキスの中に微量に含まれる成分でポリフェノールの一種です。
ポリフェノール(英語:Polyphenol)の語源は、「Poly:多くの」+「Phenol(有機化合物)」で、1つの分子に複数のフェノール基を持つ植物成分の総称。
他の有名なポリフェノールの例は、お茶の「カテキン」、ブルーベリーの「アントシアニン」、大豆の「イソフラボン」、チョコレートの「カカオポリフェノール」、蕎麦の「ルチン」などがある。植物は、動物と違い外的要因を避けたくても動いて回避できないので、害虫や紫外線、病原菌などのストレスから身を守り苛酷な環境に耐え生育するための生体防御成分としてポリフェノールを持っていると考えられている。
レスベラトロールは構造によりいくつかの種類があり、植物によりレスベラトロールの種類には違いがあります。
また、同じ植物でもその産地によって含まれるレスベラトロールの量には差があります。
特にブドウ由来のレスベラトロールは研究実績が多く、健康をサポートすることを示唆する結果がいくつか報告されています。
摂取量の目安
現在のところ、レスベラトールの効果が期待できる摂取量は現在特に規定がありません。
これまでの研究から推定される一日の摂取許容量は、体重60 kg当たりで450 mgとするところもあれば、120 mgとしているところもあるようです。
なお、アメリカでは100mg以上の摂取が勧められています。
どんな食品に含まれている?
レスベラトールが含まれる食品の例は下記のとおりです。
- ブドウ(果皮)
- 赤ワイン
- ピーナツの渋皮
- コケモモ(リンゴンベリー)やブルーベリーなどのベリー類
上記の中で比較的入手が可能なのは、ブドウ(果皮)、赤ワイン、ピーナッツの渋皮だと思います。
ブドウの果皮は食べられますが、一般的には食べる部分ではないので、毎日続けることは難しいと思われます。
ピーナッツの渋皮はブドウの果皮に比べると一般的に食べる部分ですが、薄皮つきのピーナッツ100gあたりに0.2mg程度の含有量なので、効果を期待できる摂取量を1日100㎎とすると、およそ25㎏分のピーナツが必要となり、やはり毎日続けることは難しいと思われます。
赤ワインについては、まずお酒が飲めない方には不向きです。
飲める方にとっても、赤ワイン1本(700~750ml)に約1mgしか含まれていないので、毎日およそ100本は飲む必要があるのでので、こちらも毎日続けることは難しいと思われます。
また、特筆するまでもないかもしれませんが、飲み過ぎは死亡リスクが高まりますので注意が必要です。
上記の点が理由で、レスベラトロールの効果を期待できるほど摂取するには、サプリメントが現実的といわれています。
とはいえ、フランスの例からすると、高カロリーな食事が多い方は、レスベラトロールの摂取を意識した食生活にすることで、ある程度の効果は期待できるのではないかと思います。
注意
レスベラトロールは、これまで問題となった健康被害の報告は特にありません。
しかしながらサプリメントで摂取する場合は、他の添加物も含まれていることが多いので販売元が推奨している摂取量を守ってください。
また、これまで他の医薬品との相互作用は知られていませんが、医薬品と併用する場合には、念のため医師とご相談されることをお勧めします。
上記を含め、摂取前後に限らず他に気になることがある方は必ず医師に相談ください。
さいごに
健康維持のためには、日々バランスの良い食事を心がけることが前提ですが、より健康になりたいと考える方にとってレスベラトロールへの期待は高いと思われます。
レスベラトロールは健康をサポートする様々な可能性を秘めており研究が進められていますが、前述のとおり推奨されている量を摂取するには、食品からは難しくサプリメントから摂取することが現実的です。
一例を紹介しますので、興味のある方、特に動物性脂肪を多くとる方は以下をご覧ください。
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