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【ユーグレナ】動物?植物?59種もの栄養素を持つミドリムシに期待すること

普段から健康に気を付けている方にとっては有名かもしれませんが、ユーグレナ(Euglena)とはミドリムシの学名です。

2005年に東京大学に研究所を構えるユーグレナ株式会社が大量培養に成功したことにより工業的に製造可能となって以来、さまざまな分野でその利用が進んでいますが、多くの栄養素をバランスよく効率的に摂取することができるため、食品としての利用が最も進んでいます。

 

ミドリムシとは?

ユーグレナ植物門ユーグレナ藻綱ユーグレナ目に属する鞭毛虫の総称で、約5億年以上前に誕生したといわれる植物と動物両方の性質を持った微細藻類です。

人類の誕生が約600万年前といわれるので、人類よりも遥か昔から地球上に存する環境適応能力の高い生物といえます。

およそ40属1000種が認められており、大きさは種類にもよりますが0.1㎜程度以下です。

ミドリムシといっても昆虫のような「虫」ではなくワカメやコンブの仲間で、緑色の色素である葉緑素を持ち植物のように光合成を行って栄養分を体内に溜め、鞭毛を持ち動物のように細胞を変形させながら動くという、植物と動物両方の性質をもつ不思議な単細胞生物です。

葉緑素を持ち水中で生活していることから藻類に分類されていますが、動物的性質もあわせ持つことから「動物」か「植物」のどちらかに分類することはできず中間に位置付けられています。

 

生息場所

ミドリムシは小学校の理科の教科書にも載っているほど身近な言葉だと思いますが、存在としても貴重ではなく、淡水(湖や沼、川、池はもちろん田畑の片隅や水たまり)にも海水にも生息しています。
水さえあれば何処にでも存在し得るのですが、特に冨栄養な淡水で多く見られます。
大量培養し利用されているのも淡水に生息するミドリムシです。

 

含まれる59種類もの栄養素

保有している栄養素や大きさなど種類によって異なりますが、食品として使用されているミドリムシには「植物の栄養素」と「動物の栄養素」合わせて59種類もの栄養素を持っています。

これは植物と動物両方の性質を持つミドリムシならではの特性であり、ビタミン類、ミネラル、アミノ酸および不飽和脂肪酸など、人間が生きていくために必要な栄養素の大半を含んでいるといっても過言ではないほどです。

以下がその栄養素です。

 

59種類の栄養素について

ヒトが生きていくために必要なエネルギーを作る炭水化物・タンパク質・脂質を三大栄養素といいます。
そして三大栄養素の代謝をサポートする役割であるミネラルとビタミンを加えたものを五大栄養素と呼んでいます。
前述のとおりミドリムシは、その五大栄養素のいくつかを含んでいますので、それぞれについて少し掘り下げて以下に記します。

ビタミン(14種)

三大栄養素以外の有機物の総称、野菜や果物に多く含まれています。
ヒトが必要とするビタミンは以下の13種ですが、α-カロテンとβ-カロテンは摂取後体内で必要な分だけビタミンAに転換されますので、ミドリムシはそのすべてを含有していることになります。

 種類
α-カロテン(ビタミンA)
β-カロテン(ビタミンA)
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンB12
ビタミンC
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK1
ナイアシン
パントテン酸
ビオチン
葉酸

ミネラル(9種)

三大栄養素以外の無機物の総称、乳製品や海藻に多く含まれています。

 種類
マンガン
亜鉛
カルシウム
マグネシウム
カリウム
リン
ナトリウム

アミノ酸(18種)

三大栄養素の一つ、肉や卵に多く含まれています。
私たちの体を構成している蛋白質は20種のアミノ酸からできています。
その内訳は以下の通りです。

  • 必須アミノ酸(9種):体内では合成できないため食物から摂取が必要なアミノ酸
  • 非必須アミノ酸(11種):体内で合成可能だが有益なため摂取したいアミノ酸

ミドリムシに含まれるアミノ酸は18種ですが、そのうちシスチンは上記20種に含まれないアミノ酸です。
つまり、体を構成する蛋白質に必要なアミノ酸20種には3種足りないということになりますが、その3種(アスパラギン・グルタミン・シスチン)は体内で合成可能な非必須アミノ酸で、それぞれミドリムシに含まれる成分(アスパラギン酸・グルタミン酸・シスチンおよびメチオニン)から体内で生成されます。

必須アミノ酸
バリン
ロイシン
イソロイシン
リジン
スレオニン
メチオニン
フェニルアラニン
ヒスチジン
トリプトファン
非必須アミノ酸
アラニン
アルギニン
アスパラギン酸
グルタミン酸
プロリン
チロシン
グリシン
セリン
その他のアミノ酸
シスチン

不飽和脂肪酸(11種)

「脂肪酸」は三大栄養素のひとつである「脂質」の構成要素であり、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
飽和脂肪酸が過剰摂取により血中の中性脂肪やコレステロールを増加させてしまうのに対して、不飽和脂肪酸は中性脂肪やコレステロールを調整する働きがあります。不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれています。

種類
DHA
EPA
パルミトレイン酸
オレイン酸
リノール酸
リノレン酸
エイコサジエン酸
アラキドン酸
ドコサテトラエン酸
ドコサペンタエン酸
ジホモγ-リノレン酸

その他の栄養成分(7種)

地球上でミドリムシにしか確認されていないパラミロンの他、私たちの体に有益な栄養素が多く含まれています。

種類
パラミロン
クロロフィル
ルテイン
ゼアキサンチン
GABA
スペルミジン
プトレッシン

パラミロン
光合成によって生産された糖を効率よく貯蔵するために作られていると考えられており、粒子はらせんが絡まったような複雑な構造になっています。スポンジや炭のように表面に無数の小さな穴が開いている構造で、その穴にコレステロールなどの不要物がパラミロンに吸着するといわれています。また、食物繊維のような難消化性で、吸収されずに排出されるほか、様々な働きをすることがわかっており、今後の活用が期待されています。

 

注目する点

ミドリムシは上記の通り、59種類もの多様な栄養素を含むことから、栄養補給に適しているとされています。

ただし、栄養は摂り過ぎることによって有害となる場合もありますので、適正量の摂取に限ります。

私たちに必要な栄養はバランスの良い食事から摂取できますが、栄養は摂取した後に体内できちんと消化吸収される必要があります。

特に植物から栄養を摂取する場合、よく噛んでも体内での消化率は約40%のようです。

これは植物の細胞が持っている「細胞壁」が原因です。

細胞壁にはセルロースなどの不溶性食物繊維を含みますが、体内でうまく消化できないため植物性栄養素の吸収率が悪くなってしまいます。

一方、ミドリムシには細胞壁はありませんので、野菜や果物からよりも効率的に植物性栄養素を消化吸収することができます。

その率は約90%※とのことです。

59種類もの栄養素を通常の食事よりも効率良く消化吸収できることこそがミドリムシの強みなのだと思います。

※出典:農芸化学会誌第51巻8号p483~p488(1977)「Euglena gracilisタンパク質の人工消化実験およびネズミ飼育試験による栄養価の決定」

消化率
摂取したものが消化吸収された割合

 

食品以外の利用について

バイオ燃料
光合成時に体内に油脂を生成するので、それを抽出・精製し、ジェット燃料や長距離輸送車に使われるディーゼル燃料、自動車などのガソリン燃料に利用する研究が進んでいます。

環境問題の解決
光合成に必要な太陽光・水・二酸化炭素があれば育つため生産性が良いことに加え、普通の植物に比べ特に二酸化炭素を吸収する能力に優れているので、地球温暖化対策に有望視されています。

 

さいごに

ヨーグルトの乳酸菌、納豆の納豆菌、キノコ類など「菌」は摂取するものとして馴染みがあると思います。

一方、「ムシ」が付くミドリムシには抵抗があるかもしれませんが、ミドリムシは藻類でありワカメやコンブの仲間です。

ミドリムシに含まれる栄養素のほとんどは食事からも摂取できますが、栄養素を食事から必要量得るためには、日々バランスの良い食事を心がける必要があります。

それを補助するためにミドリムシを含む健康食品があります。

ミドリムシ配合の製品は高価に感じますが、健康維持のためにどのサプリメントが良いのかお悩みの方は、まずミドリムシを試してみることが様々なサプリメントを試すよりコスト的にも健康維持のためにも良いかと思います。

 

 

 

 

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