身体

【肝臓】アルコール分解は仕事のほんの一部分、生きる材料を作る化学工場

肝臓の働きでよく話題になるのは、「アルコールを分解する」ということではないでしょうか。

反対に、それ以外の話題では、あまり肝臓の働きについてテレビなどで取り上げられていないと感じます。

また、脂肪肝などで肝機能が低下すると健康に良くないという認識は知られていますが、なぜ健康に良くないかはあまり知られていないのではないでしょうか。

脂肪肝だと飲酒した時にアルコールを速やかに分解できなくて、二日酔いになりやすいからでしょうか?

重要なことを「肝心」「肝腎」といいますが、これは肝臓と心臓や腎臓が人体にとって重要な臓器であることからできた言葉です。

つまり、肝臓は、心臓や腎臓と同じくらい重要な臓器ということです。

 

肝臓とは?

肝臓は、消化器に属する臓器です。

胴体のやや右側の肺の下、肋骨に守られるように位置しています。

ヒトの体で最も大きい臓器で、体重の約1/50を占めています。

肝臓全体で肝臓の機能を成り立たせているのではなく、肝小葉という肝臓の機能を持つ基本単位が約50万個集まって作られています。

そのため、部位による機能の違いが少なく、一部に損傷があっても症状に現れにくい特徴があります。

臓器としては唯一再生能力があり、7割近く摘出しても約2~3週間で元に戻るほどです。

 

肝臓の役割

肝臓の主な働きは、以下のとおりです。

代謝・貯蔵
肝臓には、消化管で消化・吸収されたの栄養素(糖・蛋白質・脂肪など)が運ばれます。
肝臓に送られた栄養素は、体内で使えるような形に作り変えられます。
これを代謝(分解・再合成)といい、これには500種類以上の酵素が関わってるといわれています。

代謝された栄養素は、血液の流れに乗って全身に運ばれますが、一部は肝臓に蓄えられます。
例えば、糖質はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられ、必要な時にブドウ糖に戻されエネルギー源として血液中に放出されます。

排出(胆汁の生成・分泌)
肝臓の代謝によって発生した老廃物を排出するために胆汁を生成します。
また、利用されて不要になった老廃物も肝臓に運ばれ、胆汁として排出されます。

胆汁は、胆管を経て胆のうで貯蔵・濃縮され、十二指腸に分泌されます。
胆汁には、脂肪の消化吸収を助ける消化液としての働きもあります。

胆汁の流れ:肝臓⇒胆管⇒胆のう⇒十二指腸

解毒
肝臓には栄養素だけでなく、食品添加物やアルコール、薬の成分、細菌なども運ばれます。
肝臓はこれらを分解して無害なものにする働きもしています。

 

第3の血管「肝門脈」

通常の血液循環は、心臓から送り出される「動脈」と心臓に戻ってくる「静脈」に分かれますが、肝臓には「動脈」「静脈」に加え「門脈」という独特の血液循環があります。

肝門脈は、消化管や胆のう、膵臓、脾臓とつながっています。

肝臓には、肝動脈と肝門脈からの血液が送り込まれます。
肝動脈からは酸素、肝門脈からは消化管から吸収された栄養素などが含まれています。
肝臓に送り込まれる血液の約70~80%が門脈から、残りは肝動脈から供給されます。

肝臓を通過した血液は、肝静脈を経て心臓へと戻ります。

肝臓には、心臓から送り出される血液量の約1/4が送り込まれており、全身を循環する血液量を調節するうえでも重要な役割をしています。
例えば、心拍数が上がり循環する血液量が増加した場合、肝臓が腫れて体積を増し血液を保持することで心臓の負担を軽くしています。

 

肝臓に関連する病気

肝臓に負担をかけ過ぎると肝機能が低下してしまいます。

肝機能が低下すると、肝臓の役割である、代謝・貯蔵・排出・解毒が適切に行われなくなってしまいます。

しかしながら、肝臓が弱っても痛みなどの自覚症状が少なく、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

症状が現れたときには、深刻な状態になっている可能性が高いです。

そのため、日頃から肝臓を休ませる意識を持つことをお勧めします。

食べ過ぎもそうですが、特に食品添加物、アルコール、薬などの摂り過ぎには注意が必要です。

肝臓の疾患には以下のものが例として挙げられます。

  • 脂肪肝
  • 肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • 胆石症
  • 胆のう炎
  • 原発性硬化性胆管炎

 

肝臓に良い食事

高蛋白・低脂肪・低塩分を基本に、野菜・海藻を取り入れた食事が良いとされています。

肝臓の修復には、蛋白質が不可欠です。

蛋白質はアミノ酸で構成されているので、バリン、ロイシン、イソロイシンなどのアミノ酸も肝臓に良いとされています。

貝類やたこ、いか、レバー、牛肉、乳製品、卵、大豆製品などに多く含まれています。

また、野菜、海藻から肝臓の機能を助けるビタミンミネラルを摂取することも必要です。

 

食べ過ぎ注意、肝臓に負担をかける食品

バター、生クリーム、肉の脂身
動物性の脂肪は、植物性に比べて中性脂肪として肝臓に蓄積されやすい特徴があります。

お菓子、ジュース
糖分が多いものは、肝臓に大きな負担をかけます。

インスタント食品、ファーストフード
食品添加物や塩分が多く、肝臓に大きな負担をかけます。

アルコール
アルコールは肝臓で代謝され、中性脂肪などに変えられて、エネルギー源として全身に送られます。
アルコールの摂取量が多かったり長時間飲んだりすると、肝臓がアルコールを代謝し続けることになります。
そのような状態では、中性脂肪が肝臓内に溜まりやすくなります。
肝臓の30%以上の細胞に脂肪が溜まった状態を「脂肪肝」といいます。 

 

肝臓に良い運動

ウォーキングジョギングなどの有酸素運動が、肝臓に良いとされています。

有酸素運動は脂肪燃焼効果があり、肝臓に脂肪が蓄積されにくくなります。

そのためには、たまに長時間するよりは、1日に30分程度、毎日継続する事が肝臓に良いと考えられます。

そうはいっても、なかなか時間が取れない場合は、NEATをうまく利用することでも良いと思います。

 

さいごに

肝臓は、消化管により吸収された栄養素を体内で使える形に作り変えます。

また、有害物質を無害化し、体内の老廃物と共に体外に排出する働きもしています。

このように肝臓は、私たちが他の動物や植物などを食べて生きている上で重要な役割をしています。

健康のためにと、高価な食材や健康食品を摂取しても、肝臓がうまく機能していないと栄養は期待するほど役に立ちません。

肝臓は再生能力のある臓器ですが、肝炎や肝硬変など肝臓全体に及ぶ病気になると回復することが難しくなります。

肝臓が弱っても痛みなどの自覚症状が少なく、いつの間にか深刻な状態になっていることもあります。

特に、疲れやすくなったり疲れが抜けなくなったりする方は、年のせいだけではないかもしれません。

飲酒しない方も、食べ過ぎや運動不足により、日常的に肝臓に負担をかけ過ぎてしまう可能性があります。

肝臓の働きを意識して、肝臓を労わる生活習慣を送ることが、肉体的健康に直結します。

肝機能の異常を早期に発見するためにも、定期的に健康診断や人間ドックなどで確認することをお勧めします。

 

 

 

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